★当院では糖尿病治療(特にインスリン療法)に関わっていく医療スタッフ(医師・看護師など)が、できるだけ外来インスリン療法の導入がスムースに行われるように出前出張の勉強会を開催しています。
今回はH21年10月末に久慈市で行われたインスリン治療、インスリン手技指導の講演会、ワークショップについてご紹介したいと思います。
まず初めに当院院長より、「インスリン治療の可能性」について
・2型糖尿病の治療
・インスリン治療を始める時の患者様の心理
・SU剤、ビグアナイド剤の内服薬とインスリン療法の併用
・責任インスリン、BOT療法について
・3~4回インスリンを打つ方法の外来導入の問題点
・外来でインスリン療法を導入するためのエッセンス
患者様はインスリンに対して何が嫌なのかを聞いてみる。 患者様が不安に思っている事を聞いてあげる。 答えを急がせない。 その人の生活パターンにあわせる 医師、スタッフが協力体制をつくっていく必要がある。 内服薬の併用も効果的 ベストな状態にこだわらない |
次に当院看護主任より「インスリン指導のコツ」について
今回は患者様からの質問で多かった項目で
・注射の痛みを少しでも減らせる方法
・なぜ注入ボタンを押したまま針を抜くのか、なぜインスリンを注入してからすぐに針を抜いてはいけないのか。
・針は再使用してもよいのか
・毎回注射場所を少しずつずらすのはなぜか
・白濁したインスリンの混ぜ方
などについて詳しくお話をしました。みなさん熱心にメモをとり聞いて下さっていました。
講演後に3つのグループに分かれてワークショップを行いました。実際に患者様にインスリンの指導を行うようにインスリンを参加者全員で触り、一つひとつ丁寧に手技確認を行いました。また日頃指導する際に困っている事等について意見交換を行いました。
インスリン指導を行う時に患者様から一番多い質問は「注射時の痛み」でした。そこで参加者の方々に自分のお腹にインスリンの針を刺してもらい、どのくらい痛いのか、痛くないのか試していただきました。ほとんどの方が「思ったより痛くない」とのことでした。
白濁したインスリンの混ぜ方ではインスリンキットの中にガラス玉が入っていてその玉を動かす事によって均一に混ざる事を参加者全員で確認しました。
★講演後の感想
「知らない事がたくさんあったのでこれからの指導に役立てていきたい。」
「実際に自分のお腹にインスリンの針を刺してみて痛くなかった。指導する時にこの体験を生かしていきたい。」「栄養士さんの講演も聞きたい。」などご意見をいただきました。
今回初めての試みだったので勉強不足、準備不足のところが多々あったと思いますが、この講演がインスリン指導を行う際に少しでも参考になり、また指導する立場である我々スタッフの知識の向上の第一歩になることを切に願います。